ゲームレビュー「ファタモルガーナの館」
女中さんprpr(^ω^)=テンプレ
はいはいまいど(°д°)ノ
バレンタインの記事は色々あらぶっておりましたが、若さゆえかな・・・
まぁ、過ぎたことはどうでもよくて、久々のゲームレビューですよ
作品名=ファタモルガーナの館/サークル名=Novectacle/ジャンル=西洋浪漫サスペンスホラー
一章+二章の体験版をレビューさせて頂き、更に各方面から絶賛の声+販売店在庫少というなんかもう凄い作品です
ツイッターでネタバレ無しでレビューするのは無理だと誰かが言っていましたが、極力本編のネタバレはなしでいきます
呪われた館を舞台に記憶を失った「あなた」=主人公は過去に起きた悲劇の物語を女中に導かれ、目撃する
なぜ、悲劇は起きたのか?
なぜ、館は呪われているのか?
最後の最後までほとんど救いのない重く鬱的なストーリー
四章までは序章とされ、五章からが本編的な扱い/序章のプレイ時間=約10時間
基本、過去に起きた悲劇を客観的な視点で観ていく展開で、単調にやりやすいストーリー構成だが、各章起承転結がしっかりをなされ、全く飽きがこない
それどころか、どんどん物語に惹き込まれていく
メインとなるキャラクター達にもそれぞれテーマが設けられている
それを知ることが出来るのはクリア後の舞台裏でだが、それを知った上でキャラクターを観るとまた違った一面が見えてくる
重厚なストーリーにマッチした立ち絵/表情差分+ポーズ差分も豊富
通常の立ち絵/ウインドウ式/カードの様な特殊な立ち絵と場面によって仕様が違ってくる
60以上に及ぶオペラ調/シンフォニックな楽曲はどれの完成度が高く、各場面の雰囲気を盛り上げる
40以上に及ぶスチル=一枚絵はキャラクターの感情が乗り移ったかのようにそれだけで情景を想像できるほど
クリア後の舞台裏で、「認識逆転」+「意外性」が全体のテーマと語られていたが、自分は「先入観」+「ミスリード」の二つの印象が強かった
各章で大体今までの流れが180°回転するような展開があるのだが、先入観に騙され、ふんだんに盛り込まれたミスリード的文章に踊らされる
サスペンスはプレイしながらその先にある事実を予想していく楽しみがあると思うが、この作品をやる上で気をつけることは全てを疑うこと
一度何かを提示された後も、それを疑え、疑って疑って、エンディングまで全てを疑え
それが善意でも悪意でも、無垢な言葉でもなんでも疑うくらいじゃないと、作者の手の上で踊らされることになります
ストーリー全体を通して、「人の心」が主軸になっている
人の弱さ/脆さ/狂気/愛/純情さ/葛藤/盲目――様々な一面が語られるが、ストーリーにしっかりと絡み、序章の部分も最終章に帰結してくる
制作に四年掛かったらしいが、それに見合った素晴らしい構成だ
総プレイ時間=20時間以上だが、最後まで無駄な部分のないノベルゲームの傑作といえる作品だ
が、捻くれ者の自分は褒めるだけのレビューは性に合わんのでちょいと気になった点を
時代は違えど、舞台のメイン=呪われた館なのだが、序章部分はどうも地域も違う様子
一章=欧州の内陸的な印象/二章=海岸沿い/三章=アメリカ/四章=一章と同様の印象
二+三章はそれぞれその場所と分かる描写があり、同一の地域でないことは間違いないと読み取れる
一+二章は時代を考えると三章とは地域が合わない
呪われた館なので自由自在に場所を移動できるのだと言われればそれまでだが、後半の展開を考えるとどうも此処だけ世界観でしっくりこない
で、もうひとつ――言葉づかい
古い時代で9~10世紀、新しい時代で19世紀と過去が舞台となっている
台詞の中で、言葉のキャッチボール=日本語+英語/イケメン=現代語――両方の表現がちらほら使われている
その軽い言葉つかいもまだ明るい展開の時に使われているので言葉で雰囲気が台無しになることはなかったが、上記同様、微妙な違和感を覚えた
あえて、指摘したが作品自体の完成度は本当に高い
作者はどれだけ精神をすり減らしながら書いたのか、それが一番気になる
体験版をプレイした人は絶対にプレイして、二章までに感じた謎を知るべきだし、まだプレイしてない人もやって損はない
女中の正体
旦那さまの正体
白い髪の少女の正体
魔女の正体
呪われた館の正体
体験版の時点で提示された謎は全て明かされ、その謎もまた実によく考えられた真実となっている
ラストスチルは素晴らしいし、世界観崩壊の舞台裏は必見!!
追記で原監督の顔芸を用いた微妙なネタバレをするのでよかったらそちらも合わせてどうぞ
では今回はこの辺でノシ